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5bc6e5c9 anonymous 2023-02-07 01:55
>>7a5f51a5

マルクスは「抽象的労働」というものを考えた。これは、「具体的有用労働」に対する概念であるが、“抽象的な”概念ではなく、むしろ唯物論に基づく実体的な概念である。あらゆる個別具体的な労働の形態を剥ぎ取って、労働そのものを抽出したら何が残るだろうか?言い換えるなら、分業に基づく社会経済(社会的生産)の労働(賃労働)の本質とは何だろうか?それは、「(個々人の)肉体における筋肉あるいは神経のエネルギー消費」である(これはマルクスの唯物論的な思考をよく表現している)。マルクスは、この肉体における筋肉あるいは神経のエネルギー消費量を基に、“等価交換”が行われるべきだという壮大な(ある意味では大それた)構想を考えた。これが、「労働(量)に応じた分配」の本質である。

資本主義市場経済においては、生産手段が資本として私的所有されており、市場と通貨(信用貨幣)を通じたブラックボックスによって商品(製品/サービス)の価格が決定される。ゆえに、労働者は自身の労働力を商品として資本に提供せざるをえない。ゆえに、必然的に労働者は資本家のみならず、資本という物神(リヴァイアサン)に支配されることになる。資本主義市場経済においては、労働(量)に応じた分配ではなく、保有する資産に応じた分配が為されるゆえに、不労所得が生じ、ゆえに所得の格差が生まれる。資本を持てる者と持たざる者との格差は年々に拡大し、相続によってその階層は固定化される。これがブルジョア階級による支配の実態である。これが、マルクスの考えた資本主義市場経済の有様であった。

ゆえに、資本主義市場経済をアソシエーションに基づく社会主義計画経済に転換して、①生産および産業の民主化、②通貨や市場を介在しない社会的計画生産、③労働証書に基づく分配システム、④自然改造と技術革新による社会の生産力の飛躍、を実現しなければならない。このようにマルクスは、社会主義社会(社会主義国家)とその先に実現すべき、国家および国境の存在しない共産主義社会を構想したのである。

ゆえに、マルクスを持ち上げながら、「プロレタリア革命は既に(実質的に)実現されている」とか、「市場を通じた分配で社会主義は実現できる(不破哲三及び日本共産党の立場)」と語ることは、マルクスに対してつばを吐き掛けるに等しい冒涜に他ならないだろう。

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