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1d297d6a anonymous 2023-02-07 19:38
>>c0d35e86

「自由市場での交換価値を理論の前提にしているので、マルクスは政府が物品やサービスの価格を決定することを想定しなかった。」

⇨オールド・タイマー氏のこの書き込みの意図をようやく理解した。主語の省略によって、これでは、文意が非常に曖昧である。

確かに、マルクスは『資本論』において、資本主義市場経済における、異なる使用価値を持つ商品どうしの交換価値について論じた。しかし、それは来たるべき社会主義社会(社会主義国家)の実現に応用されるべき前提の分析なのである。マルクスが社会主義社会(社会主義国家)における分配を「想定していなかった」訳などない。

それは、『ゴータ綱領批判』を読めば明白である。『ゴータ綱領批判』において展望されている社会主義計画経済を実装するには、社会主義社会における分配について『資本論』で提起された資本主義市場経済の分析を踏まえて、具体的な(労働量および労働時間に応じた)分配の基準とその方法が解明されなければならない。

マルクスの展望した社会主義社会とは、単に『資本論』における剰余価値(m)≒搾取が存在しないという単純なものではない。具体的に、個々の消費手段(すなわち消費財)に労働量および労働時間の価値が反映されなければならない。そのための手段の一つが、マルクスの提案した「労働証書」による分配であるが、その労働証書の価値をどうやって個々の労働者と個々の消費手段(消費財)に割り当てるのかという問題(難問)が残る。

なお、マルクスは来たるべき社会主義社会において、資本≒企業による賃労働や市場や通貨(信用貨幣)に基づく商品経済を想定していない。旧ソ連のマルクス経済学では、産業関連表や物材バランス(バランス評価)を用いて、その難問を解決しようとしたが、結局、失敗に終わった。

これは、マルクス経済学の根本問題なのである。この問題が解決されない限り、マルクスの展望した社会主義社会(社会主義国家)は実現されないからである。なぜなら、理論において解決できないモデルは、実装不可能だからである。社会主義社会(社会主義国家)が実現不可能であれば、その先の共産主義社会の到来など望むべくもないのだ。

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