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9fa3691a anonymous 2023-02-15 03:33
>>bcd856c8

マルクスとエンゲルスによる、原始共産制から未来の高度な共産主義社会に至るという疑似宗教的な歴史観(つまり唯物史観)とヘーゲルを杜撰に応用した自称・弁証法的唯物論を完全に廃した上で、純粋に社会主義社会の実現可能性を考えてみることは有意義な思考である。

オールド・タイマー氏は私への反論として持ち出さなかったが、現段階において、マルクスの想定した社会主義体制に最も使い社会システムがドイツの社会的市場経済(ライン型資本主義とも呼ばれる)だろう。私は、先に、皮肉なことに労働者の共同決定権は、資本主義国の西ドイツ(現行の統一後のドイツ連邦共和国)で採用されたと書いた。その頃、さらに皮肉なことに、社会主義国であるはずの東ドイツ(ドイツ統一によって消滅したドイツ民主共和国)では、何と労働者のストライキ権が禁止された。

社会的市場経済は、経済的な生産性と社会福祉を両立させる試みである。また、労働者の権利拡大にも熱心である。これは、歴史的には、分断された西ドイツが東側の革命(赤化)に巻き込まれないように、社会主義の原則を積極的に資本主義に採り入れた結果である。

西ドイツでは、生産手段≒資本の私的所有と不労所得こそ消滅しなかったものの、労働者の共同決定権を通じた労働と産業の民主化、間接金融部門(金融機関)を通じた社会的生産、高い労働生産性と高品質な商品(製品/サービス)が満たされていた。また、エコロジーの観点から見ても、商品のモデルサイクルも長く、大量生産・大量消費は抑制されていた。これは、マルクスが社会主義社会の要件に課した三つの要件(①労働と産業の民主化、②社会的計画生産、③生産力の飛躍)をほぼ満たしている。ただし、残念なことに、グローバル経済の伸展に伴って、(現行の)ドイツの共同決定法を通じたコーポレートガバナンスの適用範囲は縮小しつつあり、また、直接金融の拡大によって間接金融(金融機関)を通じた社会的生産も衰退している。やはり、一国社会主義路線は持続可能ではないのだろう。

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