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391ab831 anonymous 2023-02-05 00:47
>>c01b1a81

『ゴータ綱領批判』でマルクス/エンゲルスは、社会主義の体制においては、搾取が廃止される社会主義社会においては、「社会的控除」を除いては全て労働者の労働に応じた分の価値(消費手段即ち財やサービスを選択し購入する権利)が還元(分配)されると述べている。では、この社会的控除とは何か?

第一のカテゴリーは生産のための社会的控除であり、第二のカテゴリーはそこからさらに公共的なニーズ充足のための社会的控除が差し引かれる。第一のカテゴリーにおいては、①再生産、②拡大再生産、③保険としての基金である。

第二のカテゴリーにおいては、①生産の行政管理(企業の間接部門を含む管理運営や官僚機構)部分、②学校・公営住宅(社宅)・病院・社会インフラのような公共ニーズの部分。③労働不能者のための社会保障である。これら、①の一部と②と③は、資本主義国家の税金(徴税)に相当する。

この社会的控除の第二のカテゴリーにおいて、マルクス/エンゲルスは、①の生産の行政管理部分(企業[正しくは労働連合体]の管理運営部門や官僚機構)は、資本主義社会に比べて著しく減少し、②の公共ニーズ充足の部分は、資本主義社会に比べてますます拡大するだろうと述べている。

しかし、現実の旧ソ連・東欧諸国の社会主義体制を見ればわかるように、社会主義体制においては、上記①の生産管理部分(官僚機構)は、資本主義国家と比較して著しく肥大化した。ゆえに、社会主義体制においては、生産力が飛躍するどころか、リソースの浪費とイノベーションの停滞により著しく低下した。

また、官僚機構の肥大化とともに、国家の三権を支配下に置き、法の支配に縛られない共産党国家の絶対権力は、宗教警察的なイデオロギーによって国民の思想信条を統制し、それはまさに形而上学という上部構造による神権政治の唯物論版そのものであった。

マルクス/エンゲルスの述べたブルジョアジーによる階級支配というおとぎ話は、旧ソ連・東欧諸国においては、国家権力に寄生するノーメンクラツーラ(共産党幹部≒赤い貴族)という特権階級の支配にそのまま応用された。

社会主義国家の階級は出生で縛られる(つまり選別される)ゆえに、完全な貴族階級の支配する階級社会である。共産党に搾取される末端の労働者と農民階級は、居住と移動の自由も職業選択の自由もない奴隷階級である。階級が生まれで固定されているという残虐非道さは、資本主義社会の資産や所得に基づく格差の比ではない。

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